ルイスポールセンは、シルヴァー・クロームメッキ仕上げとブラック・メタライズド仕上げの、2種のメタルフレームを使い、7つのランプをPHガラスシリーズに加えます。これらのなかには、最も小さなPH2/1や、ポピュラーなPH3½-2½テーブルランプとフロアランプ、新しく登場するPH3½-3ペンダントなどが含まれます。これまで、3枚のガラスシェードを組合せたPHランプのフレームには、伝統的にシルヴァー・クロームメッキ仕上げが主流でしたが、今回、特にブラック・メタライズド仕上げを充実させています。深い黒色をしたブラック・メタライズド仕上げは、力強くかつ抑制のきいたルックスで、近年人気が高まっているためです。ランプ全体をソフトな感じにするオパール色のシェードはハンドメイドの吹きガラス。ガラスのPHランプだけが発する、パーフェクトで調和のとれた、眩しさのない光が、周囲を美しく照らします。心地よい光の秘密は、ガラス素材とその仕上げにもあります。どのガラスも3層構造(クリア+乳白+クリアの3つの層)で、シェードの内側は光の反射をソフトにするため、マット状にサンドブラスト処理がされています。
3枚シェードのPHランプの種類は、PH 2/1などと表わしますが、その数字でシェードのサイズがわかるようになっています。最初の数はメインシェードの直径を、2番目の数字は下方2枚のシェードセットを表わします。ポール・ヘニングセンは、メインシェードの断面を回転させて下方2枚のシェード位置を決め、それを3枚シェードランプの基本モデルとしました。PH2/2といった基本モデルでは、メインシェードの直径は20cmで、下方の2枚のシェードもそれに対応したサイズを持っています。PH 2/1というのは、メインシェードは20cmですが、下方2枚のシェードセットにはPH1/1というモデルのものを使っています。このように、下方シェードにひとまわり小さいタイプを使い、ランプ全体の輪郭をダイナミックに際立たせています。
1928年にデザインされたPH 3½-2½ は、世界的にも最も成功したモデルのひとつですが、その後もポール・へニングセンは照明器具のデザイン、つまり、どうやって光をコントロールすべきかというテーマに生涯の大半を捧げました。光源を最も効率良く、効果的に活用するには、対数螺旋という曲線を持ったシェードが適していると彼は考え、光の計算とテストを繰り返しました。PHランプのシェードは、光をどのようにかたちづくり、どう反射し、どうやって眩しさを取り除くか、という諸条件を満たす最良のフォルムとして決定されたのです。
現在に至るまでルイスポールセンでは3枚シェードのPHランプの製造を続け、今も、「光をかたちづくるデザイン」としてのPHランプの新鮮さを多くのひとに知ってもらおうと努めています。グレア・フリー、つまり眩しさのない光が、人と家庭をもっと美しく照らしていくために。
新しく加わる7種類のシルヴァー・クロームとブラック・メタライズドのPHランプは、2017年3月から販売します。
ポール・ヘニングセンについて
ポール・へニングセン(1894-1967)は、デンマークの女優アグネス・へニングセンを母として、コペンハーゲンに生まれました。1911年から14年にフレデリクスベアのテクニカル・スクールで、1914年から1917年にはコペンハーゲンのテクニカル・カレッジで学びました。
伝統的な機能主義建築をキャリアのスタートとした後、彼の興味は照明分野に移っていきました。また、活動領域は文筆活動にも広がり、ジャーナリスト、社会批評家、作家としても活躍しています。第二次大戦初期、コペンハーゲンのティヴォリ公園の主任アーキテクトも勤めましたが、ドイツ軍占領時には他の多くの芸術家たちと同様、スウェーデンに亡命し、亡命先のスウェーデンではすぐさまデンマーク人アーティスト・コミュニティーの中心人物となりました。
ルイスポールセン社とのコラボレーションは1924年に始まり、彼の亡くなる1967年まで続きました。ポール・へニングセンがパイオニアとして切り開いてきた照明分野の業績、つまり、照明から眩しさ(グレア)を取り除くこと、適切な影を形成すること、色をきちんと再現すること等、光の特性をわたしたちのより良い生活に利用しようとしたヘニングセンの努力は、いまもルイスポールセン社が実践するライティング・セオリーの基礎になっています。
ルイスポールセンについて
ルイスポールセンは1874年に創業したデンマークの照明メーカーです。ポール・ヘニングセン、アーネ・ヤコブセン、ヴァーナー・パントン、ヴィルヘルム・ラウリッツェン、オイヴィン・スロット、nendo/佐藤オオキ、内山章一、アヌ・モザー、ルイーズ・キャンベル、マッス・オドゴーといった、歴史的巨匠から才気あふれる現代のデザイナーやアーキテクトまで、気鋭のクリエーターたちとのパートナーシップを通して製品を開発し、住宅から建築、街並みのための照明ソリューションを手がけています。ルイスポールセン製品はどれも、背景のストーリーを持っています。これらの照明器具は、光とプロダクトをより洗練させようとするそれぞれのデザイナーのヴィジョンが実を結んだものですが、すべては、“design to shape light - 光をかたちづくるデザイン” というルイスポールセン独自のライティング・フィロソフィーにもとづいています。
PHガラスシリーズ 製品情報 2017年3月1日 日本発売予定
デザイナー: ポール・ヘニングセン
材質: オパール色三層吹きガラス(シェード).シルヴァー・クロームメッキ、またはブラック・メタライズド.
税抜価格: (シルヴァー/ブラックの順)
PH 2/1 ペンダント: 62,000円 / 66,000円(New)
PH 2/1 テーブル: 72,000円 / 80,000円(New)
PH 3/2 ペンダント: 84,000円 / 88,000円
PH 3/2 テーブル: 118,000円 / 126,000円
PH 3½-2½ テーブル(New): 128,000円 / 136,000円
PH 3½-2½ フロア: 164,000円 / 172,000円(New)
PH 3½-3 ペンダント(New): 120,000円 / 128,000円
詳細や製品画像は、ご遠慮なく以下の担当者までお問合せください.
January, 2017