部屋の照明を整えると、印象が変わるだけでなく、空間がより心地良く生まれ変わります。まず、部屋の使い方に合わせて、どのタイプのランプがどこに必要か、そして、どんな雰囲気にしたいかを考えましょう。
例えば、光と色の組合せが最良の結果をもたらす場合があります。部屋をより開放的で広く見せたい場合は、天井は白く塗り、上方に光を向けるランプ(テーブルランプやフロアランプ)を、壁際に置きます。そうすると、天井が高く見えます。ヒュッゲで親密な雰囲気をつくりたいなら、壁には濃い色を選び、色温度の低い、温かみのある光を放つランプを組み合わせると、効果を生みます。
また、床、壁、天井の色と素材にも配慮してください。色の濃い素材は光を多く吸収するので、より強い光を必要とするケースが多く、逆に、明るい色の素材は光を多く反射するので、弱い光でも明るい感じが得られます。
どの場合も、部屋のパースペクティブ、あるいはくつろぎ感を演出するには、部屋の2カ所以上にランプを用いることが大切で、用途や家具配置に合わせ、異なる光を組み合わるのがポイントです。簡単に言うと、手元を明るく照らすランプ(主に下向きの光)と、部屋の広がりを照らすランプ(上向きの光)の、2つのタイプを組み合わせると、部屋がいきいきとしてきます。
光の色については、落ち着いた雰囲気を求める住空間では、温かみのある色温度(2700K前後)の光をお勧めしますが、部屋での活動によっては、もっと爽やかな色味の光が快活さをもたらす場合もあります。部屋のため、そしてあなたのための、最適な色の光を見つけてください。
最良の照明ソリューションを得るには、好みの照明器具を選ぶ前に、何を照らしたいのかを明確にしてください。一部屋に必要なランプの数は一様ではなく、スペースの特徴やランプの使い方、個人の好みによります。しかし、一つ確かなのは、最良の照明をしつらえるには、異なるタイプのランプを組み合わせることが必要、という点です。
まず、部屋のどこで何の行為をするかを明確にし、各行為に必要な、手元を明るくする光(タスクライト)を置いていきます。例えば、アームチェアの脇(編み物や読書)、ダイニングテーブルの上(食事や会話)、ソファの横(読書)。次に、天井方向に光を広げるデザインのランプ(テーブルランプ、フロアランプ、あるいはペンダント)を使い、温かみのある光で部屋環境を照らします(アンビエントライト)。さらに、部屋に飾るアートやオブジェをスポットライトなどで照らすと、目を楽しませる光(アクセントライト)となります。このように、最良の照明ソリューションは、タスクライト、アンビエントライト、アクセントライトで成立します。3つのどれが欠けても、部屋は暗くなったり、メリハリのない雰囲気になったりします。
ひとつ補足すると、ルイスポールセンのランプデザインは、自らの光を受けて美しく発光するものが多く、ランプ自体がアクセントライトの役目を同時に果たすことが多いです。また、電球や光源が調光可能なタイプであれば、機能的な光と雰囲気づくりの光を切り替えることが可能です。
夕方を、白く冷たい光で照らされた部屋で過ごすと、それだけで心地悪く感じることがあります。逆に夜間、ソファで読書がしづらい時は、光の色が温かすぎる、あるいは光が不足している場合があります。人の感覚やウェルビーイングには、光の適正な色温度が大切です。光は、ケルビン値(K)が低いと温かみを増し、高いと青白く冷たい感じになります。
温かみのある光は心地良さとくつろぎを感じさせるので、部屋の全般的なアンビエントライトに最適です。一方、クールな光では物がはっきり知覚でき、集中力を促すので、仕事用のタスクライトや、特定の物に焦点を当てるスポットライトに効果があります。色温度の選択は個人の好みにもよりますが、キッチン、バスルーム、ガレージなど、注意深く物を見る行為のためのスペースでは、少しクールな光もお勧めできます。
なお、各場所に適した光源を選ぶことは大切ですが、一部屋にいくつも異なる色温度の光を使ってしまうと、コントラストがあり過ぎ、ちぐはぐな感じになってしまいます。