
内山章一は東京に生まれ育ちました。1977年に内山章一デザイン事務所を開設して以来彼は、ものを美しく見せ、人々に物体のテクスチュアと奥行きを感じさせるような、グレアのない間接光を生む照明器具の創造に取り組んでいます。内山のデザインは照明器具をとおして質の高い光を生みだすことを目的としており、彼は空間における間接光の美しい効果を実現しようと専心しています。
デザインの基本コンセプトして、内山はまず光源の光特性を完璧に把握し、その光をコントロールすることで理想的な配光をつくりだし、同時に、グレアを取り除くことを試みます。質の高い照明を実現するには、光の効果を検証するプロセスが特に重要である、というのは彼の持論でもあります。実際の光源をセットした原寸大模型により、彼は製品外観の美しさはもとより、光の強さ、光の色、そして物体の表面に落ちる陰影を綿密にチェックしていきます。このように厳格なデザインプロセスが、機能的でシンプルなフォルムを生み、最終的に、日本の伝統でもあるミニマリスティックな美しさを彼の製品に与えています。
正確な光の検証から生まれた内山の照明器具が、彼のデザイン・フィロソフィーを証明しており、これまでドイツのiF賞、日本のグッドデザイン賞を受賞しています。